「問題は、彼が問題解決し終わった後です。その後、彼を偉くさせてそのまま残すことが正しいかどうか。残してしまうと、先ほど話した“僕のつくりたいものをつくる”になってしまうから。旬な不満と、それを適切に上手に解決する能力のあるリードユーザを見つけてきて権限を与える。その判断とタイミングが肝心です」。
—声だけを聞くな、写真と声は必ずワンセット
日本の製品の多くが、データの読み違いの上に商品開発されている可能性が高いと話す西山氏。ユーザの“言葉”だけを聞きすぎるのは危険な行為だ。それがTwitterのつぶやきであろうとFacebookの投稿であろうと、それはあくまで耳データ。いくら集めてギャザリングしてもあまり意味がないのだという。
Mr. Nishiyama talks that there are many Japanese products but it's highly probable to develop products on misread data. It's risky to listen to much to users' "words." Whether it's Twitter's tweets or Facebook posts, these are all just "ear data." It doesn't mean anything no matter how any you collect and gather.
「ユーザの声には嘘が多い。もちろん意識的な嘘ではありませんが、誇張されているケースが珍しくありません。大事なのはユーザの声ではなく、“ユース”なんです。どう使われているのか。こういう意見があるけど本当なの?それを裏付けるために、ある時から写真を撮るようにしました。声と写真のセットで、どこにニーズがあるかを解明するんです。声だけ聞いてしまうと絶対失敗すると思います」。
また、コンテキストがズレる可能性があるため、Twitter、Facebook、その他のコミュニティなど様々な場所にある意見を持ってくることもおすすめしないという。実際にユーザが使っているその隣にいて目でみる必要がある。それができない場合は必ず写真で補う。定量調査的なアンケートを実施するのもひとつの手ではあるものの、それにも注意が必要だ。
「そもそもアンケートの回答を友達がしていたり何かしらの義務でやっているかもしれない。またアンケートをとる人と判断をする人は大概別の人間ですよね。明日までに回答が10件必要だからと知り合いに頼んだ結果、8割が満足しているという回答を得てそれで判断してしまったり。使ってみたこともない人がコメントを書いている可能性だってあります。だから耳だけは危険、耳に頼っちゃダメなんです」。
クラウド・ファンディングとの共存
ユーザが欲しいものを形にするために支援者から資金調達できるクラウド・ファンディング「KickStarter」や「Campfire」と、空想生活のようなプラットフォームはどう違うのか。最近ではクラウドファンディングも一種の事前予約の機能を担っている。
What's the difference between crowd funding sites like "KickStarter" and "Canmpfire" that can fundraise from supporters in order to turn something users want into a reality and a platform like Dream Life? Recently crowd funding has shouldered a kind of advanced booking feature.
「ライバルになってきてるし、彼らから学ばなきゃいけない。一線を画しているのは、クラウドファンディングが事業立ち上げのために資本を入れるのに対して、僕らは商品を予約して受け取るという点です。コンセプト自体は違いますが、両者が組合わさると試作品をつくるためのお金と仮予約を集って、あとは継続してつくるためのメーカーとの契約を結んで、といった具合に上手く繋ぐことができると思っています」。
実際にユーザの中には、空想で予約を集めてその資金をクラウドファンディングで集めるといった具合に2つを併用している人もいるという。手作業でつくる量産する前のものをetsyで販売することで小銭を稼ぎ、量産するための予約集めに空想を使う。その試作品をつくるための資金調達にKickStarterなどを利用する。様々に特化したソーシャルプラットフォームを、ユーザが仕方なく自分たちでつなげてモジュールとして使っている。
また、ソーシャルメディアも外せない。最近商品化されたオンラインゲーム「Minecraft」はTwitterで広がった。オンラインゲームで今まさにゲームを遊んでる仲間に対して、1万人集まれば商品化するから全員投票してほしいとつぶやいて投票が集まった例だ。空想単体ではなく他のソーシャルメディアを併用したことが商品化を実現する成功要因となった。
さらに海外を目指すCUUSOO、使う機能は20分の1
15 年間運営されるCUUSOOの目下の目標は、海外での成功だという。国内と海外、ターゲットが違うことで仕組みや機能面で大きな違いがあると話す西山氏。海外版では機能をだいぶ省いて提供しており、持っている技術の20分の1も使用していない。
The present goal of CUUSOO, which he has managed for fifteen years, is to be a success overseas. Mr. Nishiyama says there are big differences in organization and functionality because the targets dometically and abroad are different. He omits many features in his overseas editions and he doesn't even use 1/20th of the technologies he has.