掛け軸(表装)を作る人を表具師(ひょうぐし)または経師(きょうじ)と呼びます。自家製の生麩糊と選りすぐられた和紙で掛け軸を作り上げていくわけです。掛軸を作るにあたって基本的に3段階の裏打ちがあります。裏打ちには和紙を使います。作品への裏打ち(肌裏)には、『美濃紙』を用います。この裏打ち(肌裏)紙には、薄口・中肉・厚口というように作品の厚みに応じて使い分けます。さらにこだわりの表具師になると、同じ薄口にしてもそれを自分の指先で薄い・厚いと感じ取り、それを分けて使います。
A hyougu-shi makes hanging scrolls with homemade starch paste and selected Japanese paper(Washi). To creat a hanging scroll, basically three-steps lining is necessary. Japanese paper(Washi) is used for Urauchi. Mino-shi(a type of Japanese paper created in Mino province) is used to attach a sheet of paper to an art work . Different types of Mino paper -thinner, medium, thicker- is used depend on the thickness of art work. An experienced hyougu-shi is capable of distinguishing a slight difference of thickess of a sheet of paper by touching it with his fingertips
裂地への裏打ち(肌裏)にも作品同様の作業となりますが、作品・裂地にさらに補強のためまたは厚みを合わせるために、『美栖紙』で裏打ちをします。これを増し裏と呼びます。そして様式の形に整えたら全体を『宇陀紙』で裏打ちします。これを総裏と呼びます。ただし、上部には上巻と呼ばれる絹を貼ります。この部分は、巻いた状態のとき手で触る部分になり、和紙だと汚れや毛羽立ちとなるため絹を使用します。
簡単にこれらの和紙の説明をすると、『美濃紙』『美栖紙』は補強のため、『宇陀紙』は湿乾対策のためです。
これらの和紙は、配合された材料が異なります。
すべての作業を一種類だけの和紙で試した表具師がいたと思います。または二種類で、三種類で。さらに組み合わせを変えて試した表具師もいたと思います。
ところがこの和紙だけだけの問題ではなく、糊の問題も出てきます。それぞれの工程においての糊の濃さと量。こういった試行錯誤の繰り返しによって、日本の掛け軸(表装)が確立されていったものです。この掛け軸には日本の伝統と文化が凝縮されています。
But in addition to the types of paper, adhesive paste is also an important factor. The thickness and the quantity of adhesive paste should be strictly controlled in each process. Japanese hanging scroll (mounting) has been established through repetition of trial and error. Japanese tradition and culture are summed up in those hanging scrolls.
増し裏のところの訳が抜けているような気がしますが・・・。
すみません。なぜか読み間違えていました。This process is called So-ura. ⇒This process is called mashi-ura.
なので・・『そして様式の形に整えたら全体を『宇陀紙』で裏打ちします。これを総裏と呼びます。」・・の部分が訳されていません。
ああ、何度もすみません。This form is called mashi-ura. After arranging it in this form, then we back the whole with uda paper. This form is called So-ura.