8 Startup Lessons on Working with Big Brands
Simon is currently CEO at Frenzoo. He was previously APAC head of emerging technology at Juniper Networks. He is an angel investor in startups, and a writer on startups and gaming. Follow his blog or on Twitter.
“If you’re doing a startup, there’s an allure to big brand partnerships.”
You might think: close a deal in a couple months and then prestige, validation, press, growth, new opportunities, and lots more all await. “If I get this deal we’ll be up in bright lights.” Except it doesn’t usually work that way.
Simon Newstead氏は現在、FrenzooのCEOで、以前はJuniper Networks社の新興テクノロジー部門アジア太平洋地区の責任者だった。同氏は、スタートアップのエンジェル投資家で、スタートアップとゲームに関する記事も執筆している。Newstead氏をフォローしたい人は、同氏のブログもしくはTwitterで。
「もしあなたがスタートアップを手掛けているなら、大手ブランンドとの提携に魅力を感じるだろう。」
ひょっとしたら、あなたはこう考えてるかもしれない:数か月で提携話を締結し、名声を得て、提携契約を承認し、プレス、成長、新たなチャンス、そしてもっと多くのことが待ち望んでいる。「この提携が決まれば、自分達に明るい光が射す。」——だが、「いつもそうなるとは限らない」ということには気付かない。
Simon Newstead氏は現在、FrenzooでCEOを務めている。以前には、Juniper Networksでアジア太平洋地域の先端技術分野における責任者を務めていた。同氏はスタートアップを対象とするエンジェル投資家であり、スタートアップやゲームに関するライターでもある。同氏のブログやTwitterをフォローしよう。
「スタートアップに携わっている人ならば、大きな企業との提携に魅力を感じるものだ。」
あなたは次のように考えるかもしれない。2~3カ月で契約をまとめてしまおう。そうすれば名声、検証、報道、成長、新たな機会など、さらに多くの事が待ち受けているに違いない。「この契約がうまくいったら、我々はきっと華やかな世界に入ることになるだろう。」だが、たいていの場合、そんなにうまくはいかないのである。
The reality is that it’s so hard getting a foot in the door, then signing a contract is grindingly tough. Next, getting a successful partnership that delivers real mutual value is the real challenge, and then you have to do all this without getting sidetracked and accidentally burning your precious funds.
Successes and failures
My startup has worked with a few large brands in the past year. One failed, draining precious cycles. A couple turned out much better, including a successful collaboration with media giant Condé Nast on the new game Teen Vogue Me Girl, launched after months of hard work.
Here are 8 of the startup lessons we learned:
成功例と失敗例
昨年、私のスタートアップはいくつかの大手ブランドと協業した。失敗したケースは1つで、貴重なサイクルを無駄にしてしまった。いくつかのケースはそれよりもよい結果となった。その中には、大手メディアのCondé Nastと提携して新しいゲームタイトル「Teen Vogue Me Girl」に取り組んで成功した例もある。このゲームタイトルは数か月に及ぶ懸命な取組みを経てローンチされた。
それでは、以下に私達が学んだ8つの教訓を紹介しよう。
成功と失敗
私のスタートアップはこれまでの1年間で、大企業数社と提携した。1社は失敗に終わり、貴重な時間を浪費することになった。数社との提携はこれよりもずっと良い結果をもたらした。中でも、メディア大手Condé Nastとの提携では、何カ月にも及ぶ困難な取り組みの末、新たなゲームTeen Vogue Me Girlのリリースを成功させた。
我々が学んだスタートアップにとっての8つの教訓について、これから紹介しよう。
Lesson #1 – Press is the icing, not the cake.
If your main goal is buzz that will lead to more downloads or users or revenue for your startup, brace for disappointment.
Even a mention in major media such as Wired translates to only a temporary spike – we’ve seen this happen. A friend even got a top-tier celeb to promote his new startup, resulting in far fewer returning users than he’d hoped.
もし、プレス活用の主な目的が自分のスタートアップのダウンロード数、ユーザー数、収益を伸ばすことに繋がる評判を得ることなら、失望する心の準備をしたほうがいいかもしれない。
例えばWiredなどの主要なメディアで取り上げられたとしても、数字が伸びるのは一時的なことだ(私達はそれが実際に起こるのを見てきた)。ある友人は一流のセレブを起用して彼自身の新しいスタートアップを紹介してもらったにもかかわらず、期待していた数字よりも遥かに少ないユーザーしか獲得できなかった。
スタートアップにとってのダウンロード数、ユーザー数、あるいは売り上げを増やすことが主要な目標ならば、失望を味わうことになるだろう。
たとえばWiredのような主要メディアで取り上げられたとしても、一時的に人気が高まるだけだ。我々の場合においても、同じ結果となった。ある友人は、一流の有名人に新しいスタートアップを売り込んでもらったが、獲得できたユーザー数は希望よりもはるかに少なかったのである。
We all remember glitzy press launches for projects that end up failing a year later. And those that rose to success without PR. Our new game got only a handful of media mentions but has still grown well despite that.
Whilst press can help for other reasons, such as fundraising, a partnership is a pretty risky and resource-grabbing way to try and achieve those goals.
Press is icing on the cake, rather than the cake itself.
Think about press as a great bonus – if you don’t get it, no worries, a solid project will still thrive without it.
プレスは資金調達などのその他のことに役立つが、提携はかなりリスクが高く、これらの目標を試み達成するには多くの経営資源を必要とする方法だ。
プレスは絶対に必要なものではなく、予期せぬボーナス。
プレスを予期せぬボーナスとして考えてみて欲しい。つまり、ボーナスがなくても心配はいらない。ちゃんとしたプロジェクトなら、プレスの力を借りなくても成長するから。
メディアでの報道は、資金集めなどの他の理由では助けとなるが、提携相手と目標達成に向かって取り組む上ではかなり危険で、多くのリソースを必要とする方法だ。
メディアでの報道はケーキのように甘いものではない。むしろ、ケーキを冷やすための氷のようにすぐに溶けてしまうものだ。
メディアでの報道は大きなボーナスのようなものとして考えよう。報道されないとしても、心配は要らない。しっかりしたプロジェクトならば、メディアに取り上げられなくても成功する。
Lesson #2 – Is your opportunity cost acceptable?
Doing any project with a mega co. is going to take more time than you expected. Much more time.
Our project took nearly 6 months to deliver, and that’s fast.
Big brands need multiple approvals with different stakeholders, reviews with marketing and legal, endless back and forwards on product etc.
If you’re a small startup and think you can create a new app for a big brand whilst maintaining momentum on your “main” business, think again.
大企業と提携してプロジェクトを遂行することは、あなたが思っている以上に時間がかかる。しかも、遥かに長い時間だ。
私達のプロジェクトはローンチするまでに6か月近くかかったが、これは早い方だ。
大手ブランドは、様々な利害関係者からプロダクト開発の承認を得て、プロダクトなどに関するマーケティングや法的事柄の見直しをし、そして終わりのないプロセスの一新後退を繰り返さなければならない。
もしあなたが小さなスタートアップを運営していて、自分の「主要」ビジネスの勢いを維持する傍らで、大手ブランドのために新たなアプリを作れると考えているなら、もう一度考えてみて欲しい。
大企業と共にプロジェクトを遂行することはあなたが考えるよりも多くの時間を必要とする。非常に長い時間がかかるのだ。
我々のプロジェクトは提供までにほぼ6カ月を要した。そして、これはかなり早い部類に入る。
大企業は異なる株主から多くの認可を得て、製品についてマーケティングや法律における検証を果てしなく繰り返す必要がある。
小規模のスタートアップが「主要な」事業における勢いを維持しながら、大企業のために新アプリを開発できると考えているのであれば、それは考え直したほうが良い。
You’ll need to either hire up, rework what you already have, or try to turn your tech into a platform. Or accept that this project; this will be your startup, and that your prior project will have to wait, perhaps forever.
Our project that failed in the end turned out as a good thing for us. Though the brand involved was famous and one that many would like to be associated with, it was turning into a large departure from our existing path (high opportunity cost) without enough strategic benefit.
最終的に失敗してしまった私達のプロジェクトは、私達にとっては失敗して良かったものとなった。一緒に取り組んでいたブランドは有名で、多くの人が取り組みたいと思うブランドだったが、十分な戦略的メリットがないまま、私達が持っていた軌道から大きく逸脱しようとしていた(機会費用が高かった)。
我々のプロジェクトが失敗に終わったのは結局のところ、我々にとって良い事だったのだ。提携先は有名企業で、多くの企業が提携を望んでいたが、この提携先企業は我々が現在進んでいる道とは大きく異なり(提携を続けた場合の機会費用が大きい)、十分な戦略上の利益をもたらさない方向へと進んでいったのである。
Lesson #3 – Work with the right advocates
In a big company, it can be easy to find groups who may be interested and engage you in promising discussions that end up stalling.
Before committing lots of time with a group, some good questions to ask:
What is the group’s mandate and business goals?
Do they have budget?
Do they have buy in from the relevant business units?
Have they executed a similar project?
Who signs off on a potential project?
Do they have resources to commit to the project?
大企業で、関心を示して商談の約束してくれるグループを見つけるのは簡単かもしれないが、それらが頓挫してしまうこともある。
特定のグループと多くの時間を割く前に、次のようなことを訊いてみよう。
そのグループの要求とビジネスの目的は何だろう?
1.予算はあるのか?
2.関連ビジネス組織から賛同を得ているのか?
3.同じようなプロジェクトを実施したことがあるのか?
4.将来のプロジェクト契約にサインをするのは誰か?
5.このプロジェクトを遂行するための経営資源はあるのか?
大企業の中で見つかるグループは多くの場合、関心を示してくれて、真剣な話し合いから将来に希望を持てるように思わせるかもしれないが、結局は行き詰まってしまうものだ。
あるグループに対してたくさんの時間を費やす前に、次のような質問に答えてみるのが良いだろう。
そのグループが持つ権限と事業目標は何だろうか?
予算はあるのだろうか?
関連する事業部門を仲間に引き入れているだろうか?
類似のプロジェクトを遂行したことはあるだろうか?
プロジェクトに関わるか否かに関する決定権は誰が持っているだろうか?
プロジェクトに責任を持ってたずさわる上で必要なリソースを持っているだろうか?
In our case, we found an innovation products group who had a track record of projects and getting buy in from the different Conde Nast brands, and brands willing to embrace a new project – which got it all started.
Lesson #4 – Define your scope up front
Whilst in lean startup land we work iteratively and adapt, doing this with a brand that changes scope every week is a recipe for chaos. Small innocent requests – “Oh, can we add a module to let the customer redeem coupons through the website as well as the app?” – can snowball quickly.
教訓その4:前もって自分自身の範囲を明確にする
リーンスタートアップの世界では、私達は反復作業を行って適合させていくのだが、こういうプロセスを毎週方針の変わるブランドと一緒にすると混乱を招くことになる。例えば、「あぁっ、顧客にウェブだけでなくアプリでもクーポン券が渡せるようなモジュールを加えることができる?」という悪気のない小さなリクエストが素早く雪だるま式に増えることもある。
レッスン4 - 将来の見通しを立てておくこと
リーン・スタートアップを繰り返して実践し、効率が上がるよう状況に適応してきたスタートアップでも、企業と協業する際には見通しが立たず、毎週、混沌のただ中へと引きずりこまれることになる。「あ、お客様がアプリと同じようにサイトでもクーポンを受け取ることができるようにモジュールをひとつ追加してもらえます?」というような、小さくて無害なリクエストがほんの少しの期間で雪だるま式にふくれ上がる可能性があるのだ。
Though there are pros and cons, I think it’s better to agree a list of deliverables and put it in writing early.
But how do you get it “right” from the start?
A good way is to either adapt from something that is proven to work (we based the new game on a mechanic from our first game) or do the upfront customer development and planning work to make sure it has as high chance as possible at success. It’s a tricky balance.
だが、最初からそれをどうやって「適切に」行うのか?
良い方法は、うまくいくと証明されたものを採用する(私達の場合は、自分達の最初のゲームの開発者に基づいて新しいゲームを開発した)か、成功する可能性を確実に高くするために最初に顧客開発および計画をする、のどちらかだが、これは難しい比較検討だ。
しかし、どうすれば開始段階から「正しい」方向へと進むことができるだろうか?
うまくいくのが既に実証されていることを応用する(我々の場合、新たなゲームの基礎部分に我々が最初に手がけたゲームの仕組みを利用した)か、前もって営業を行い、できる限り成功の可能性を高くなるように計画を立てるのが良い方法だ。この点では、慎重にバランスをとる必要がある。
Lesson #5 – Harness the supertanker
Big companies have processes, legacy systems, and move slowly; startups are lightweight speedboats, deciding and moving quickly. So what can you do?
The natural instinct may be to try and bend the big company to your way and pace of working. This will lead most likely to frustration. Yours.
Instead, adapt to their way of working, get the big supertanker pointed in the right direction, and let it power through.
大企業にはいろいろなプロセスや伝統的なシステムがあり、動きが遅い。一方、スタートアップはライト級のスピードボートで、何でも素早く決定して行動していく。では、どうすればいいのか?
自然と思いつくのが、大企業のやり方を自分達の仕事のやり方やペースに合わせるよう仕向けることかもしれない。でもこれは、フラストレーションに繋がる可能性が高い。しかも自分達の側にだ。
そうする代わりに、彼らの仕事のやり方を採用し、大手企業に正しい方向を示すよう促し、プロセスの全行程で彼らに指導権をもたせよう。
大企業はたくさんのプロセスを経る必要があり、伝統あるシステムを持っており、ゆっくりと動くのに対して、スタートアップの場合は軽量で高速のモーターボートのように素早く決定し、動くことができる。そこで、スタートアップは何をしようとするだろうか?
スタートアップは、自分たちの働くペースに合わせるよう本能的に大企業に対して働きかけるかもしれないが、たいていの場合はフラストレーションを抱えることになる。スタートアップの側が、だ。
それよりも、相手側の働き方に合わせて、まるで超大型輸送船のような企業が正しい方向へと進むことができるようサポートし、動力源となれるように努めたほうが良い。
申し訳ありませんが、タイトル「大手ブランドと提携して学んだ8つのレッスン」を「大手ブランドと提携して学んだ8つの教訓」に修正します。よろしくお願いします。