トップ ニュース 世界遺産 イベント カルチャー 海外情報 インタビュー 語学 テクノロジー 翻訳者 お問い合わせ

バイリンガルがお勧めする一度は訪れたい7つの世界遺産 Part2 -シチリアのプーピ人形劇

4.シチリアのプーピ人形劇 (Opera dei Pupi, Sicilian Puppet Theatre )


大人から子どもまで笑顔にしてくれる、イタリアのシチリア島伝統マリオネット、「プーピ」と一心同体になって演じる師匠マエストロ・クラィッキオ氏による古典伝説物語、「狂えるオルランド 」の即興を観覧しました。


イタリア、ルネサンス期の叙事詩を壮大な戦闘シーン、そして月への旅と主人公のオルランドと王女アンジェリカを中心にした恋物語で幻想的に演じられました。

手描きの絵巻物状の背景による人形の大きさに合わせた小ぶりな劇場も、舞台右端に設置された昔からの手回しオルガンによる、どこかなつかしいメルヘンな音調の音楽もすべて伝統的な手法です。



そして熟練した職人の手によって木から作られたプーピといわれる、棒で自在に操る伝統マリオネットは芸術的な衣装と師匠マエストロ氏の魂が入ったかのような生き生きとした素晴らしい動きとそれに伴う表情で観客をおおいに魅了しました。

まず、物語の前に師匠マエストロ氏とその弟子2人で演じるシチリア人のプーピが物語のあらすじをユーモアを交えながら話してくれました。驚いたことに小物も全て本物を使用し、細長い棒状のパイプを使いプーピが本物のタバコの煙をくらませて生きているかのように動いていました。






本編が始まり、本物の甲冑を身につけたプーピの登場です。師匠マエストロ氏の表情、声調と共和して分身のように動き観客を惹きつけます。戦いのシーンではプーピの素早く迫力のある動きとそれに合わせた手回しオルガンのアナログで幻想的な音楽が、美しくどこか可愛らしく調和していてとても印象に残りました。月への旅の場面では怪物プーピも登場して会場を沸かせました。





場面ごとに変わる手描きの背景と照明もプーピ独自の伝統的な雰囲気と調合していました。ユーモアも交え伝統的な韻を踏んだ叙事詩の人形劇は、子どもも楽しめるようハッピーエンドに即興されました。1体につき15キロ程もする重さのプーピを1時間以上舞台で動かすため体力がとても必要だそうです。














19世紀初めにイタリアのシチリア島北西部の県都であるパレルモで生まれ、庶民の間で爆発的な人気となりました。その後、テレビなどの普及により消滅の危機にさらされたなかこの師匠マエストロ氏ファミリーのプーピ人形劇団は継承され続け、ついに2001年5月18日に第一回ユネスコ「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」にて宣言され、2008年に正式に世界文化遺産に献じられました。






今回フランスでの上演でしたが、師匠マエストロ氏によりプーピ人形劇は世界中で公演されています。シチリア県都パレルモのマッシモ劇場そばにあるプーピ劇場にて、現在もシチリアのプーピ人形劇を鑑賞できます。(海外での公演も多いためスケジュールは事前にお調べください)。人形劇に登場する伝統職人の手による一つ一つ手作りのプーピたちの博物館もあります。イタリア南部、シチリア島にご旅行される機会がありましたらプーピに会いに行かれてみてはいかかでしょうか。

執筆者 : bonnepomme

世界遺産 日本語 2015/04/06 14:09:00
併せて読みたい